ザルト ブルゴーニュ グラスが最高
数年前まではとことんシャトーワインにこだわっていたものだが呑み進めるとやはり行く末はブルゴーニュに収まるもの。
これは8年ほど前に銀座でワインを呑んでいたときにさかのぼる。確かあの時は皆で自分の選んだとびきりのシャトーパヴィ1986 だったかな・・
盛り上がっていた折りに奥の席から初老の親父がいい女に囲まれ何本かのミディアムボディの隙間から自分達の会話に割りいってきてこう言い放った。
「君たちはワインが好きなんだね、シャトー派か、もう少ししたら必ずブルゴーニュ派になる、ワインはブルゴーニュに始まりブルゴーニュに終わるから」と・・・
勿論自分達もその時は何のことか分からず適当にあしらいながら酔っぱらい親父に合わせていたのだがここ数年、その言葉を思い出していた。
確かにこのピノ・ノワールの奥ゆかしさにハマるとその単体種のクリアな透明感や作り手の年代、またその時の気候により味わいの違いまで変わる程の儚くも絶妙なバランスを追い求め始めるとキリがなくなってしまうのだ。
それどころかワインオタクとなり、そこから派生するグラスや料理にまでこだわる始末だ。そう思えばあの時の初老の言う通りになってしまったらしい。
そんなわけで今回は数年前からすっかりブルゴーニュにはまった自分が更に出会えたワインを美味しく味わうために口当たりも優しいザルトのブルゴーニュグラスを購入してみた。
リーデルを扱うワインバーなどでも定期的にやっている様だが、それをいただくためのグラスのタイプで味わいの感じかたが変わる、と言うテーマでの試飲会がある。
そのくらいブルゴーニュは繊細で戴き方、温度によっても違いが出る事を知ってしまった今の自分は少しめんどくさい。
逆に適当な価格のワインも最大の美味しさを引き出すための飲み方がしっかり分かっているのは、意外に経験則に従い戴くからその恩恵を最大限に受けることができる。
今夜もゆっくりとグラスを傾けながら明日の鋭気を養うための大切な時間だ。