たっくんの勝手な考察

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2019年のボジョレーヌーヴォーで旨いのは?

ボジョレーヌーボーは毎年の葡萄の出来を確かめる年一の収穫祭の様なものでフランスのワイン界においてもその年間売り上げのシェアは大きい。

この祭に参加するにはボジョレーを生産すべく、ガメイ種の葡萄を単独植樹し、その品種のみで作り出されたワインであること、ガメイはその年の天候や日照時間により葡萄の特徴を素早く反映するのに最適であり、わずか短期間の発酵で華やかに表現しきる葡萄と言えよう。

まさに短い飲み頃は一気に咲き乱れる桜の花の様な品種であるからこれを逆に2年、3年と寝かせると不味い酢に変貌する。

そんな訳でフランスで生産されるこの時期のボジョレーヌーボーは賞味期間もその年までの物が様々な生産者からお目見えする


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(ボジョレーヌーボーの飲み比べ会)

 

しかしながら日頃美味しいピノ・ノワールメルローの魅力に取り付かれた自分に、そもそもそんな葡萄酒に高い金(どう考えてもお祭り価格)を払うのも馬鹿馬鹿しいと思っていた矢先、たまたま3000円以上もするボジョレーを友人から譲ってもらえたのだ。それがこちらフィリップ・パカレ氏によるボジョレーヌーボーだ。


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パカレ氏は素晴らしいブルゴーニュの生産者であり、プルミエ・クリュの畑からは、のきなみ一本5万円以上のワインが生産され、しかもそれらは早いうちに完売してしまうほどの作り手さんだ。

そんな方からプロデュースされるヌーボーは今回別物と言っても過言でない。まず抜栓すると赤い花を思わせる華やかな香りに甘いジャムを感じさせる複雑なニュアンスがいっぱいに広がる。飲んでみると適度なテクスチャーから程よいミネラル感と軽やかな印象を受け飲み飽きる事がない、そしてビックリするほど熟成されたワインを飲んでいる気さえする。

よくぞガメイ種でここまで奥ゆかしく艶やかに表現してくるのは流石に名プロデューサーとしか言いようがなく、むしろこの生産者が仕上げたエシェゾークラスこそ一度味わってみたいものだと思わせてくれる。

 

そう考えると今までボジョレーヌーボーとはお祭りでタダタダ飲み比べも楽しいが、アートを観賞するがごとく、作り手さんの表現力を知るためのいわば広告の様なものである事に気づくだろう。