大魔人が出現!!
そうそう、20数年前にこの茨城の地に帰って来た時は既に27歳の営業マンだった。
ほぼ父の定年退職に合わせるように長男らしくかみさんを連れ、世間の体裁のお手本のようなふりをして帰って来たのだったっけ。
しかしながら仕事はそうそううまくいったわけではなかった。
それまで都内や首都圏で住宅やリフォーム販売業の営業をしてそこそこ好成績を出していた自分がまず面食らったのがこの地のジェネレーションギャップだった。一言で表現するならばお客さんのリアクションの低さだ。それに合わせるように決断も鈍く、何よりも苦労したのが最後の「検討します」の意味が違うところだ。
いわゆる首都圏でこの「検討します」は前向きに迷い判断が今日はしかねる。の意味だが首都圏とはいえこの地の「検討します」はある意味「必要ないよ、だからもう帰りなさい」の意味と履き違えて使う人が少なくないと言うことを知ることからだった。
だから自分は当初この「検討します」が出てきたときにはすかさず「どこか分かりにくかった部分がありますか?」や「どの部分を検討しますか?」などと聞いて逆ギレされたことがあった。
そんな日は自分の反省材料に思い当たる節がなくただただ悲壮感に包まれ車を走らせていた帰り道だ。ん?何だ?幻覚?それともこんな俺に救いの神?
それこそシッコチビりそうになりながらこの現実をどう受け入れて良いか迷いながら初めて目にした大魔人!!
これぞ茨城の誇るひとつの観光名所、牛久大仏さんだ。
ここから見る牛久大仏は今でもあの日の自分を鮮明に思い出すのだった。
これだもん!