チャンギ空港に深夜着くとこうなる その③
通常12時間後に今の行動をとるならば、入り口のドアマンに迎えられあたかも優雅なセレブ気分でラゲッジサービスを受け、フカフカなジュータンを踏みしめながらロビーの解放感を我が物顔で味わいキターーーッ!と最高のテンションでチェックインフロントに向かうところだろうが今回はそんなわけで言うなれば「お伺いチェックイン」と言ったとこだ。
つたない片言だが言語を切り替えこちら現地のマレー系スタッフにまずは事情を伝える。(深夜で日本人スタッフは居ない)まずはパスポートの提出で本人確認を終え、所持しているカードからデポジットの決済が通常に済まされる。
そもそもこのデポジットであるが宿泊費以外でその他食事代等支払い保証の一時預り金の事、チェクアウト時に何もなければ破棄され返金する仕組みだ。これは宿泊費に対し一定の割合が決まっている。
ただしこの時にホテル側でも別の目的としてカードがブラックでないか?偽物でないか?また本人のカードホルダーステータスまでしっかりと確認する目的もあるのだから、それを理解しているとこちらも旅をするうえで安心できるホテルに泊まるのだと考えれば良いだろう。
次にホテルマンからのジャッジを待っていると答えはこうだ。
「いらっしゃいませ、ホテルではアーリーチェックインはお取り扱いしていませんがこのまま15時でお荷物だけ預かりますか?」
と言うのだ。いやいや、あわてて今すぐにでもチェックインしたいのだが何とかならないかとたずねたらしばらく手元のパソコンとにらめっこしだした。
ほー、マレー系の人はグレーのスーツが良く似合うなー、パソコンもブラインドタッチだし・・いやいや今はそんなところを見ている場合ではないのだ。
しばらくして帰ってきた答えはこうだ。
「あなたは当ヒルトングループのゴールド会員なのでアップグレードする権利をお持ちです、ただし一泊につき$100を追加いただけるならエグゼクティブルームに滞在中の朝食が無料でいただけるなどサービスはこちらです」とアップグレード優遇の日本語表記紙面を見せてくれた。
おー、なんとありがたい事でしょう、今回は3泊なので約$300の追加でしかも一番大事なエグゼクティブルームにアップグレードすると何と今から部屋に入れる。
しかもエグゼクティブルームのアップグレードには空きがあれば即入室可能なサービスなどもあり、自分逹のような人のためにあるようなサービスではないか。
そうともなれば現在AM4:00を過ぎたところであり、この条件を利用するしか選択肢は無い。
じゃーしかたなし、それでおねがしいますとフラットな表情でお願いするとスタッフの彼は我々に気を使ってくる。
「とても良い選択ですよ、ぜひ楽しんでください」
あ、しまった。日頃からポーカーフェイスの日本人、異国まで来てこれではいかん。と再度自らを叱咤し広角を上げ、歯を見せ、自分の中ではかなりミッキー顔にしたつもりで
「ありがとう、宜しく!」と快諾した。
結果、今回のシンガポールは朝の4:00から無事にチェックインが可能となり、部屋もエグゼクティブツインにアップグレードされたわけだが、豪華な部屋を見る間も無く二人はベッドに横になったまましばらく溶けるように眠りについた。