たっくんの勝手な考察

ハワイ・車・時計・ワイン・ゴルフ大好きです。

現実よりSNS病む人々かぁ・・

芥川賞を受賞した本谷有希子さんの話だ。

内容は最近の「インスタ映え」なる写真を主体に旅行している若者は旅行をしている間はあまり楽しんではいないとあり、むしろ後から過ごした時間を切り取った写真の数々から仮想空間の中に入り、そこから充実感や幸せを得るのだとある。

ココに現代の病と警鐘を小説にまとめたものが趣旨だそうだが、自分はこの事実を新聞からしか得ていないものの、それには共感するものを感じていた。


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この現象は今に始まったことではなく時代の流れが大きく影響していると感じている。

例えば最近の若者はテレビ離れしている・・などと問題視されているがそれも当然の事。時代は今や番組を作る側も見る側も50代が支配し80年代のノスタルジーに浸るための物探ししかしていない様に思うのだからそれを若者が見ても面白さが分かるとも思えない。

 

ただ若者世代は、番組の司会を牛耳るキャストがどんな人なのか、またその人の立ち位置の過去に何が面白かったのかをYouTubeなどから戻り、調べ今のジャッジをする大人に評価されるものを必死で探す事がある意味二次的な楽しみかたはこの小説に近いものがあるのではないだろうか。

 

若者達はそんな我々のノスタルジーなど知るよしもなく昔に興味はないと思うのだが、親世代が涙を流しこの時代を楽しみ懐かしむ様子を見て、バブル時代を仮想ととらえ共有しているだけなのだ。言い換えれば「大人に話せば笑うネタ」を探すのが若者世代の特徴のように思えてならない。

 

昨今のダンス大会では「ダンシングヒーロー」を踊った高校生チームが優勝し話題になったり、漫才では「平野ノラ」が売れるのも昭和ノスタルジーに浸る50代世代がメディアや時代のジャッジを牛耳って喜んでいるからであって当の本人達にこの世代を知るものはいないのもおかしな話ではないか。

 

我々50代世代が今を楽しむ事も大事だが一人一人がしっかりと次世代にバトンを渡せるようなもの作りや考え方を伝えていくのも大事なこと、そして我々は虚栄やプライドをある程度捨て前を見続ければノスタルジーはもう要らない。新しいもの作りをする若者たちの柔軟な発想や考え方をもっと解放してあげて、伸ばしてあげることが必要なのではないかとあらためて考える事例となった今回の芥川賞受賞の話だ。